こばやし二胡教室 二胡・レッスン・制作

夜の二胡教室2025年4月21日号「演奏に秩序を」

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放送で使用したメモを残していきます。

演奏に秩序を

清潔感のある音楽人生を

「清潔感のある演奏を」は前回放送中にでてきた言葉
*清潔感とは、本当の意味での清潔感ではない。
(もちろん清潔感はあるべき)

本当に清潔か、本当に上手か、は問題でなく、他人に不快感を与えない演奏をしよう、という意味での清潔”感”

「二胡は下手糞聞こえる楽器」であるからこそ、音楽に対する真摯な姿勢を見せて、
二胡界隈の外の人から「二胡っていいじゃない」と思ってもらいたい

*毎日8時間練習すれば、確かにじょうずになります。
しかし、8時間練習していない私達は、その時間を別のことに使っているはず。
「毎日8時間練習した音楽」と同じように
「週に5分楽器の練習をして、残りの時間は仕事や家事をしていた」演奏だって、堂々とすればいいはず。
遠慮や気後れは本来不要のはず。

かといって、「週に5分も練習してきたんじゃ、それ、がーりがーり」と無配慮に現状の自分を垂れ流しするような演奏行為を見ると、
うるさいなあ、清潔感がない演奏だなあ、と思われてしまうかもしれません。

聞いてくれる人の限られた人生の時間を奪っている
だからこそ、聞いてくれる人を不快にさせない演奏をしよう、目指そう、という提案です。

では、清潔感のある演奏ってなにかというと、

掃き清めるって言葉があります。
箒ではいて、綺麗にする。
昭和の時代では、朝起きたら家の前を掃き清めることから1日が始まる家も多かったと思います。
はくと、ごみは減って綺麗になります。

僕もおばちゃんがそうしていました。
でも、ごみなんてなくてもはいてました。

「掃除する」以上に「清める」ほうを大切にしていたからだと思っています。
大きなごみが無くなった後。
地面にははき筋がのこります。
石庭の砂紋(さもん)のように。
あれによって、その場に一定の秩序が現れる。
石庭の砂紋が綺麗、心が鎮まる、と思うのも、そこの整った秩序が見えるからじゃないでしょうか。
掃き清めるという行為は、ごみがへる、ということ以上に、その場に秩序が現れることで心が安心する、という
仕組みがあるではないかと思っています

さて、二胡の演奏において、清潔感のある二胡の演奏とは。
僕は「秩序がある演奏」を目指すべきだと考えています。

わかりやすいのが、ビブラートではないでしょうか。
「二胡のビブラート綺麗!」とおもってやり方を学んで練習してみても、
何かちがう、うまくかけられない…と思っている人は多いのではないでしょうか。

ビブラートも大切なのは、「秩序がある」音の揺らし方をすること。
揺れの速さや深さにルールがあること、コントロールされていることが
聴いている人に伝わらないと、不安を掻き立てることになります。

二胡は、音程も音色も不安定になる要素が多い楽器です。
音程も、音色も、リズムも、秩序の反対、カオスになりやすい。

カオス、混沌は、何がおこるかわからないから、生物にとってはとても不快です。

音色が変わっていくこと、音程が変わっていくこと、それが正確であればいいけど、
それができるようになるには時間が足りなすぎる。

下手であっても、そこに秩序をもたらそうとしていることが伝われば、
「へったくそだなー」と思われない演奏にできるのではないでしょうか。

演奏に秩序をもたらそう、をはじめませんか

 
 

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