チューナーを活用した二胡練習法
二胡の練習でのチューナーの使いどころは、
開放弦の調弦だけではありません。
下手糞に聞こえやすい二胡の演奏を、
練習を積み重ねて整えていく。チューナーの活用法を紹介します。
目次
自分の音感を調整すること。
音感は練習を通じて鍛え整えていくものですが、なんとなく演奏しているだけではなかなか育ちません。
自分が「レ」「ミ」「ファ」だと思って出している音が、本当に正しい音程になっているでしょうか?
曲を弾いている中では、いろんな出来事が起こるのでシビアな状態を確認することはできません。
めちゃめちゃ単純なロングトーンなどをゆっくり弾きながら…
「自分ではこれで音程あってると思う」
↓
チューナーで検証
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「自分の感覚と正解が”このくらいずれていた”」を認識する
↓
正解の響きを耳に覚えさせる
以上のやりとりを繰り返していきます。
音感の調整に使いやすいチューナーは、常時ONにするため電池の持ちがよく、いつでも確認できるような場所に置けて、表示が見やすいものであってほしい。
据え置き型のチューナーをおすすめします。
音色の安定度を確認する
音は常に変化しています。音程も音色も。
特に二胡は音程も音色も安定しずらい楽器。
逆に無限の自由度があるとも言えますが、
自分が「真っすぐな音」のつもりで出した音なら、本当に真っすぐでければいけません。
思った通りの演奏ができるようになる、というのが練習の目的だと思いますが、
自分が想定していない変化が音に起こっている状態は、演奏がコントロールできていないということになると思います。
チューナーの針は音程を表示していくれていますが、その針の振れ具合を見て、音色に変化があるかどうかを視覚的にみることができます。
真っすぐな音を弾く
↓
チューナーの針の振れ具合を見て、あまり大振れしないような演奏を目指す
音色の作り方は、聴こえてくる音の印象と体の使い方で考えるものですが、
チューナーも補助的な計器として利用することもできます。
ここでチューナーの表示に集中しすぎて体を固めることは逆効果。
リラックスして大きく呼吸をして、遠くへ流すようなイメージを持たないとうまくいきません。
二胡は音が大暴れしやすい楽器。安定した音を作っていくためのアイデアです。
音色の安定度を確認しやすいチューナーは、針の振れ方がちょうどいいものがよいです。
反応が遅いと、今弾いている音のどこを聞き取っているのかわからず、反応が良すぎると針が振れまくって心が辛いです。
この感覚は、いくつかのチューナーを使ってみて、その時の練習内容にとって使いやすいものを選べるといいですね。
専用チューナーを使わない
チューナーにはいくつか種類があります。
12平均律クロマチックチューナーを選んでください。
クロマチックとは、半音階のことです。
例えば、12平均律のピアノのどの鍵盤を弾いても、それに対応した音名が表示されるチューナーです。
専用チューナーというものの一部には、12平均律の12音すべてを、あえて表示しない製品もあります。
ギター用/ベース用/ウクレレ用…といったふれこみのチューナー。
ギター用チューナーなら、ギターのスタンダードチューニングで使うEADGBEしか表示してくれない、ということが起こります。
特定の状況でしか使えないように機能を制限しているんです。
二胡専用チューナー、という製品があります。
これは、DとAしか表示してくれません。
内弦と外弦の調弦で合わせる音ですね。
それ以外の音、たとえば
「D調の3を弾いている。この音あってるかな?」といったとき、表示音程の限定された専用チューナーでは調べることができません。
なぜそういう製品になるのかというと、
初心者にとって考えることを減らすためです。
「この弦をDに合わせろっていわれたけど、Gって何????」
こういった戸惑いを減らすために、あえて、やさしさでできることを減らしています。
開放弦の調弦にしか使えない。
これは本当に初心者なら助かるやさしさです。
が、先に紹介したような練習方法には使えないです。
D/A以外の音があること。
D調の3はF#であること
G調の3はBであること
Bb調の6はGであること……etc,
音楽は音名と階名を併用しますが、普段の練習からチューナーを見ていると、数字で弾いている音が音名で何と表示されるのかを見ていることになります。
それが積み重なると
「あ!D調の6の音とA調の2の音はおなじBなんだ」
と情報がつながっていきます。
音の関係性で響きは作られますが、そのために必要な音程の地図を頭の中に作るために、
普段から自分が数字で弾いている音の英語音名表示を見ておくのも大切な勉強になります。
*専用チューナーでも、内部モード設定を変更すればクロマチック表示ができるものもあります。
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