チューナーの三角マーク
チューナーは、
メーターの真ん中が正しい音程
を表示していることになっています。
この横にある三角。よく見ると、左右で微妙にずれた位置にあります。
これは何の意味があるのでしょう?
目次
便利な平均律
演奏するときにつかうドレミファソラシド~♩
自然界の音程は無段階なのですが、それではいろいろ不便なので
「この音高を”ド”ということにしよう」
などと、音楽で使う音の高さを人間が決めて、音楽しています。
その音高の決め方のルールの一つが”音律”です。
現在よく使われるのは”平均律”。
私達が使っているチューナーは平均律チューナーです。
メーターの真ん中になったとき、「平均律で正解の音程」ということを教えてくれていることになります。
平均律がよくつかわれる理由は便利だからです。
便利さの代償として、ある状況で「不完全な状態」が発生します。
3度のハーモニー
ある音を基準にしたときの、3度の距離にある音を出すとき、
平均律ではきれいに響かない、という状況が起こります。
そこで、
基音に対して長三度の音を出すときは、右の三角(ちょっと高い)
基音に対して短三度の音を出すときは、左の三角(ちょっと低い)
のところが、綺麗に響く音程の正解だよ、ということを教えてくれます。
この印は、ブラスバンドではよく使われる指示だそうです。
みんなでいろんな音を出してハモるとき、
自分がその瞬間の和音の中の3度の音を出す場合、
より美しく響かせる音程をとるために、チューナーの三角表示を参考にするそうです。
三角マークの位置が微妙にずれているのは、
美しく音が響きあうためのムツカシイ音程の計算をしたところ、
長三度と短三度では、平均律との違いに差がある、ということのようです。
(注意:3度とは単にミの音程、ということではないです!)
二胡ではそれどころじゃない
ここまで読んでもチンプンカンプンな方も多いでしょう。
二胡は音程をとるのがむつかしい楽器。
この三角マークがどうこうの細かい話以前に、
根本的な音痴感がなかなか良くならない…と思っている人が多いと思います。
僕もそう。
とりあえずは「へえ、そうなんだ」と頭の片隅に置いておくくらいでよいと思います。
こういった知識を持っていることは大切です。
「音程があっている」
「音色があっている」
「表現があっている」
なにをもって「あっている」ということができるのか。
これをいろいろな言葉で、いろいろな方向から言葉で説明できると、
練習でやるべきことが見えるし、自信もつきます。
しかしながら、
チューナーを見ながら音程を作ってはいけない。
チューナーは、自分の音程感覚を調整するための道具にすぎないです。
「チューナーの針を正解に合わせる」練習をしてはいけない
「自分でこれがあってると思うけど、チューナーさんどうですか?
あれ、実際はもう少し高いのか!これが正解の音か~」
「綺麗に響くとは、こういうことか」
と、自分の耳の「音程あってる」感覚を修正するための計器です。
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