「基礎練習」と「それ以外」の違い
基礎は大事!なんでも言われることです。
二胡を練習するときももちろんそうですね。
二胡を練習しているとき、
「今は基礎練習をしているぞ」
「今は基礎練習以外をしているぞ」
と意識分けをして練習していますか?
そもそも、基礎練習とは何で、基礎練習じゃない練習は何を練習しているのでしょう?
スピーチ
この話をするときは、「外国語のスピーチ」を例えとして出します。
外国語を勉強する人の発表の場として、スピーチ大会というのがあると聞きます。
母国語以外の覚えた言葉を使って、メッセージを伝えようとするものですね。
外国語でスピーチをするとき、必要なものは何でしょう?
まず思いつくのは、使う言語の文法や単語の知識と、発音と聞き取りができる技術です。
これがあれば、教科書に載っている文章を読み喋ることができ、相手の話を聞くことができるでしょう。
でも、それだけではスピーチはできません。
「伝えたいこと」を伝えようとするから、スピーチになります。
外国語スピーチ大会で「伝えたいこと」とは、その外国語を学んでいく経験の中で感じたことが元になります。
「こんなことを知った」「これからこんなことをしたい!」
それを伝えるために、知識と技術が必要なのです。
伝えたいことを、技術を使って伝えようとすること。これが目的です。
音楽も同じだと思います。
「基礎技術」は楽器楽譜についての知識、音を出す/聴く技術。
「基礎技術以外」は、伝えたいこと、そのもの。
こんな音を奏でたい、私はこんな音が好きなんだと知ってほしい。
その思いを、具体的に音にするために技術を身に着けます。
基礎練習と書いてある曲を弾いているから基礎練習になるのではありません。
どんな曲を弾いていても、「どんな風に弾きたいかな?」とイメージを育んているときは「基礎練習以外の練習」。
「こんな風に弾きたいのにそれができない」ときは、頭を「基礎練習」モードへスイッチして、その部分を切り出し、思っている通りに弾けるように原因を探して直していく作業をします。
知識や技術は、目的を叶えるためにあります。
演奏の目的に当たる「こんなふうに弾きたい」音が頭の中に響いていなければ演奏はできません。
ですが、それは簡単に用意できるものではなく、自分が好きな音を演奏を通じて探していきます。
音楽をすることは自分を見つけること
自分はこんな音が好き?こんな弾き方はどう?
自分に問いかけ、少しずつ見つけていくものです。
また、「自分の好きな音」は時間とともに移ろいゆくもの。
正しい弾き方なんて存在しません。
今の自分を見つけよう、感じようとする作業が、音楽することだなあと思っています。
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