二胡のビブラートを練習するときに注意すること3選
二胡の柔らかなビブラート…官能的な魅力がありますよね。
とにかく早く身につけて、その甘美なる音色の世界を楽しみたいものです。
ですが実際には、ビブラートは習得がとても難しいテクニックです。
それは、音を揺らすということ以外のところにポイントがあると思っています。
今回は、ビブラートを習得するために気を付けてほしいことを3つ紹介します。
1.秩序があることビブラートができる、といえる技術は、音程を揺らす
波の深さと速さをコントロールできることです。
美しいビブラートというのは、その音の揺れに秩序がある。
ルールもなく、単に音が揺れているという演奏は、聴く者を不安にさせます。
曲の中で勢い任せにわーっとビブラートしてしまうものですが、
どんなビブラートをしたらいいのかは、曲によって、フレーズによって、気持ちによって千差万別のはず。
指の動かし方をしっかり確認して、思った通りの波の速さと深さをコントロールできるような基礎練習をしましょう。
2.揺れていない状態からの変化であること
ビブラートはなぜ美しいのでしょう?
私は、「揺れはずのなかったものが揺れるから」だと思っています。
すべての音にビブラートがかかっていたら、揺れに慣れてしまって、何も感じなくなるでしょう。
凛とはりつめたようなまっすぐな音…まさかこの音が揺れるなんて想像もできない…というような音が揺れだしたら…
緊張からの弛緩。その変化にドキリとします。
ビブラートの美しさは<揺れていること>そのものではない。
フレーズの中に<揺れないー揺れる>の変化を感じられるように配置されているから、変化が起きたとき、ビブラートがかかった時に美しいと感じるのではないでしょうか。
手癖でビブラートするのではなく、どこでビブラートして、どこでビブラートしないかをデザインしていきましょう。
このことについて昔作った動画があります…
3.ビブラートは飾りであることを忘れない
ビブラートは飾り、装飾音です。
ビブラートがなくても成立する演奏を作り、そこへのスパイスとしてビブラートを添えているという関係性を忘れないことが大切です。
「ビブラートができれば、私の演奏は良くなる」
このセリフはとてもよく聞きます。
もし、それが実現したときに聞こえてくるのは「みてみてー!ビブラートでーーーす!!!!できまーーーす!!!ゆらせまーーーす!!!!」という音楽です。
それは奏でたかった音楽でしょうか?
自分の都合ではなく、音楽の都合でビブラートを利用することを目指しましょう。
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