【テクニック】ポジション移動はいつ?
昔、二胡の奏法、テクニックについての細かい注意点を紹介する動画を「二胡テクひとこと」というシリーズでアップしていました。
細かいけど大切なことばかりなので、ぜひご覧いただき、ご自身の演奏で確認してみてください。
ポジション移動は”いつ”行うのか
ポジション移動をするとき、前の音と次の音の間に、<ポジション移動>をする時間が必要です。
それは”いつ”なのか。
目次
ポジション移動ふたつのタイミング
D調第一ポジション外弦人差し指の「6」から
D調第二ポジション外弦人差し指「1.」へ、
人差し指で滑ってポジション移動する場合で考えてみます。
ポジション移動はほとんどの場合、以下のどちらか。
【A】前の音の終わりに移動してしまう
【B】次の音のタイミングになってから移動をはじめる
これはどちらがよい、というものではなく、フレーズの目的によって両方使われます。
【A】は、すばやく移動することが必要なとき、次の音をハッキリ弾きたいときなどに使われます。
何も考えないで弾いている場合、【A】のタイミングを使われる方が多いです。
楽譜には次の音が書いてある。その音を弾くときには、その次の音を弾いていたいと思うからでしょう。
【B】のタイミングは、アクセントが後からくるので、ゆったりとした音になります。
演歌っぽいというか…癒しの二胡の音にするのには多用したいところ。
楽譜の見た目と動きのタイミングが違うので、練習は必要です。
自分の演奏が柔らかくならない…という人に、【A】タイミングのみで演奏がしているからだということがよくあります。
練習の注意点
移動はゆっくり、滑る音をよく聞きながら。
覚えておいてほしいのは、
【A】は、移動が終わるのが拍
【B】は、移動が始まるのが拍
になります。
移動が始まる/終わることが、リズムを伝えることになる。
メトロノームに合わせて、【A】なら移動が終わるタイミングを、【B】なら始まるタイミングをリズムにあわせていきましょう。
ポジション移動のタイミングの違いで、音の表情も変わります。
自分が弾きたい音は、どちらのタイミングで弾くものなのか、よく聞いて検討してみてください。
演奏の整理整頓
とても細かいことのように思いますが、確実に音の表情が変化します。
また、「その瞬間、どう弾いていればいいのか」を明確にしていって、そのために必要なことはする、必要でないことはしない、ということを体に覚えてもらうのが練習の目的です。
一瞬のことであっても、どうなっていればよいのかを決めておくのは大事なこと。
いくつかの選択肢の中から自分で選んで決める、ということを繰り返すことが、「自分の好きな音」を見つけることにつながり、
「自分の好きな音を弾く」ことへの道を示してくれることになります。
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